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◆生命保険料控除制度
生命保険料控除は、納税者が所定の保険(共済)契約で保険料(掛金)を支払うと、一定の金額がその年の課税所得から差し引かれる制度です。これにより所得税や住民税が軽減されます。
◆生命保険料控除の種類
生命保険の種類は、生命保険の契約書や生命保険料控除証明書の中に必ず記載されているので確認しましょう。
(1)一般生命保険料
生存または死亡に起因して一定額の保険金などが支払われる保険契約の保険料。死亡保険、収入保障保険などが対象になる保険です。
(2)介護医療保険料
入院や通院などでの医療費支払いに起因して保険金などが支払われる保険契約の保険料。新制度によって創設されました。医療保険、がん保険、介護保険などが対象になる保険です。
(3)個人年金保険料
個人年金保険料税制適格特約を付加した個人年金保険にかかる保険料。10年以上保険料を払い、60歳以降に10年以上年金を受け取るなど、一定の条件をクリアした個人年金保険が対象になる保険です。
◆旧制度と新制度の違い
2010年度(平成22年度)に生命保険料控除制度改正されたのでそれをきっかけに分かれました。
l 旧制度····· 2011年(平成23年)12月31日改正前までに契約した生命保険は旧制度
l 新制度····· 2012年(平成24年)1月1日以降に新規で契約した生命保険契約は新制度
◆適用限度額
では、所得税や住民税の計算において課税所得から実際いくらまで差し引くことができるか
それぞれの適用限度額は以下のとおりです。
【所得税の生命保険料控除額】
■旧制度(一般・個人年金それぞれに適用) ■新制度(一般・介護医療・個人年金それぞれに適用)
年間の支払保険料等 |
控除額 |
|
年間の支払保険料等 |
控除額 |
25,000円以下 |
支払保険料等と同額 |
|
20,000円以下 |
支払保険料等と同額 |
25,000円超、 |
支払保険料等÷2 |
|
20,000円超 |
支払保険料等÷2 |
50,000円超、 |
支払保険料等÷4 |
|
40,000円超、 |
支払保険料等÷4 |
100,000円超 |
一律50,000円 |
|
80,000円超 |
一律40,000円 |
※一般・個人年金あわせて100,000円が限度 ※一般・介護医療・個人年金あわせて120,000円が限度
生命保険料控除を最大限に活用する人は、
・旧制度(一般生命保険料)50,000円控除
・旧制度(個人年金保険料)50,000円控除
・新制度(一般生命保険料)40,000円控除
・新制度(介護医療保険料)40,000円控除
・新制度(個人年金保険料)40,000円控除
となり、所得税の場合は課税所得から最大22万円控除が可能となる。
【住民税税の生命保険料控除額】
■旧制度(一般・個人年金それぞれに適用) ■新制度(一般・介護医療・個人年金それぞれに適用)
年間の支払保険料等 |
控除額 |
|
年間の支払保険料等 |
控除額 |
15,000円以下 |
支払保険料等と同額 |
|
12,000円以下 |
支払保険料等と同額 |
15,000円超、 |
支払保険料等÷2 |
|
12,000円超、 |
支払保険料等÷2 |
40,000円超、 |
支払保険料等÷4 |
|
32,000円超、 |
支払保険料等÷4 |
70,000円超 |
一律35,000円 |
|
56,000円超 |
一律28,000円 |
※一般・個人年金あわせて70,000円が限度 ※一般・介護医療・個人年金あわせて70,000円が限度
生命保険料控除を最大限に活用する人は、
・旧制度(一般生命保険料)35,000円控除
・旧制度(個人年金保険料)35,000円控除
・新制度(一般生命保険料)28,000円控除
・新制度(介護医療保険料)28,000円控除
・新制度(個人年金保険料)28,000円控除
※新制度の各控除限度額はそれぞれ2.8万円で合計すると8.4万円ですが、新制度の各控除限度額は合計で7万円となります。
住民税の場合は課税所得から最大14万円控除が可能となる。
◆例えば、新制度の生命保険(一般生命保険料)を各社合わせて16万円だったとして、その内訳が
A社⇒5万円
B社⇒2万円
C社⇒2万円
D社⇒4万円
E社⇒3万円
とします。生命保険料(一般生命保険料)の新制度の控除は年間支払い額が8万円までなので、16万円全て書いても控除の対象とならない部分が出てきます。
なので、この場合、上限の8万円を超えるように書けばいいので金額が大きい順にA社とD社のみ記入するなど、組合せは自由ですが、とにかく8万円を超える分を記入すればOKです。
すべてを申告する必要はありません。
※これは、旧制度・新制度の介護医療保険料・個人年金保険料もそれぞれ同じです。
生命保険料控除は国民の生活を理解して税の負担を軽減させるための制度です。
生命保険料控除は難しそうで、わからないから、面倒だから申告しない…。などはとても『もったいない!!』のでコツをおさえてぜひ毎年申告してください。
保険料の金額は変更があることもあるので、生命保険料控除証明書を確認して正確な申告をしましょう。